県大会への想い


 詩の朗読とパフォーマンスの組み合わせの場合、下手な意味不明のパフォーマンスなら、詩の言葉と朗読方法の研鑚に時間を費やしたほうがずっといい。
言葉の世界がよほどしっかりしてないと、パフォーマンス系が上位に勝ち上がるのは容易でない。これは私が全国大会に出場しての実感です。
 が、しかし、言葉と身体表現が切り離せない私は、3分のパフォーマンスにこだわります。全国大会は気負いすぎました。一回戦敗退はいい勉強になりました。
 詩のボクシングのトーナメント戦はほとんど体育会系のノリ。リングに立てば勝つか負けるか、いずれかのみ。(いいか悪いかは別として)
 よりキレのある表現を求めて、県大会に挑みたい。

酒田地区大会予選通過  阿部 利勝

 

 

 

 

朗読パンチ

 

 言葉を握り締めるとコブシの形にはなるが、それで誰かと戦いをするとは思わなかった。そのコブシは自分に、時には密かに誰かに向けたことはあるが、戦闘用には作られていない。

 そんな詩を何篇か選び出し、読み上げる。これで勝てるのかという疑問、今は見えざる挑戦者に一人作戦会議。
 その結果として、挑戦者とは自分であることに気がついた。
 自分で自分にパンチして、気持ちがよければいい。朗読することが快感なのか、不快なのかは、まず自分への覚醒のパンチが必要だ。
 自分を殴ってハイになり、勢いがあれば、挑戦者を倒すことができるだろう。

 でも、本当の詩のボクシングの最終目標は挑戦者ではなく、観客をノックアウトすることなのかもしれない。
 戦闘用に作られていない、民生用の詩ではノックアウトは無理だ。ここはひとつ、観客に抱きしめてもらう作戦でいこうと思う。挑戦者を倒した握りコブシを観客の目の前停めて、広げて、花のひとつでも出すようマジックを仕掛けて挑みたい。

 

山形地区大会予選通過  イオン(岩田武昭)